※この記事は、【DJVJアドベントカレンダー2021】にて公開した記事です。
自分のDJのやり方をメモっておきたい、という気持ちがきっかけで、こんな記事を書いてみました。「DJmixができるまで(同人音楽編)」です。個人の差はあるので、あくまで今回私はこうしてました、的な記録です。参考になる部分は是非参考にしてもらえれば~と思います。
まずは今回のMIXを。こちらが今回作成したMIXのtake1*1です!
プレイリストも載せます!
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テーマ「同人音楽」
ちょっと前にジャンル何にするかのアンケートを取りました。どれでやってもいけるのですが、せっかくなので皆さん聴きたいジャンルで…ということで、ジャンルは「同人音楽*2」になりました。
【アンケート】
— あどるさん (@soda_float) 2021年11月16日
自分の可能性を探るmixを録ろうかなと思うのですが、ジャンルどれが面白そうですかね…
ちょうど、10月には同人音楽の即売イベント「M3*3」があり、結構音源を仕入れてきていたので、それを聴きながら、まず構想を練ります。
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構想
構想を練る時は、そのイベントはどんなイベントか*4、過去どんな履歴で演奏されているか、何を私に求めているか、どんなお客さんが来るか…で考えます。ただ今回は記事用のmixなので、「アンケートに答えてくれた人が好きそうなジャンル(フォロワーさんの好きなジャンル)」「今自分がハマっているジャンル」の2点を軸に置きました。
フォロワーさんの好きなジャンルは、ハードコア系*5とかFuture系*6、ハイテック*7とか音ゲーでありそうなのバリバリ、というイメージでふわっと固めて、あとは選曲しながら決めることに。
そして今自分がハマっているジャンルは「早いサイケ*8」2019年のM3で視聴段階から気に入って購入したDustvoxxさんのCD「Portal EP」がきっかけです。
2021秋のM3でも、PSYCHEDELIC TRANCE EP2というCDでいくつか高速サイケが収録されていて、これはいい…!と。今回はこれを主軸に展開することにしました。
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曲寄せ①候補曲のピックアップ
今回はスクショをバンバン撮りながら作ったので、所々使いながら説明します。まずはrekordbox*9を使ってプレイリストを作ります。
まずはEXPORTモード*10、プレイヤーはシンプル*11にして下の作業スペース確保、そしてエクスプローラーは2分割して右側に小さく表示しておきます。この小さく表示しているリストの使いみちは…
左側のエクスプローラーで選曲して、右側に表示しているプレイリストにぽいっとドラッグして追加していきます。左側の選曲部分の面積を確保するために、右側は狭くしてますが、このスペースサイズでも左右に動かせば追加の進捗はわかりますし、全体を見通す場合は左側でこのプレイリストを選んであげれば良いです。
さて主軸は決まっているので、まずは高速サイケの楽曲を入れていきます。一旦曲順とかはおいといて、当てはまりそうな曲をどんどん入れていきます。並べ替えは後でやりますので…ここはDustvoxxさんでアーティストソートしたり、アルバム名でソートして似たジャンルの曲を探す、という形で追加していきます。プレビューをクリックしてすぐ聴ける*12の、音楽プレイヤーとしても非常に助かる…!
で、残りの展開ですが、これを追加しながら良さそうと思った曲を引き続き追加していって決めます。早いけどにぎやかなやつ(トマヨイ*13とか雲散霧消*14とか)がほしいな~ってなったり、好きなジャンルのHardTek*15入れたいな~って思いながら追加してます。一応BPM帯は意識してますが、細かい数字はまだ見てないです。
また後工程で追加しますが、一旦これで追加終わりです。次は曲順を考えていきます。
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曲寄せ②セットリスト組み
さて、追加が終わったらまずやることがあります。BPMソートして、BPM順に連番を振り直します。やり方はリストをBPMソートしたあと、連番のところを右クリック→「曲順をリナンバする*16」です。
これでBPM順に連番が振られたので、BPMソートを外して曲のBPMを見ながら構成を練っていきます。繋ぎやすいようにBPMが近似してきたので、あとは展開を考えます。
高速サイケ部分はいいのですが、問題はその前後。前は「早いけどにぎやかなやつ」後ろは「好きなジャンルのHardTek」にするので、入れたいと思っている楽曲を聴きながら、イメージに合う楽曲を寄せたり、足りない場合ピンポイントで追加していきます。
ポイントは「繋ぎやすさ」「繋げない場合どうBPMをコントロールするか」「全体的な展開はどんな雰囲気にするか」です。つなぎやすさはアウトロや曲の中盤で静かなところがあるかどうか等、繋げない場合のコントロールは、ビートが崩れる曲を選んで上げ下げするとか、いい感じにフェードいけそうな部分があるか、をひたすらプレビューで聴き込みます。
そして「全体的な展開はどんな雰囲気にするか」これが超大切です。明るい/暗い、メロディアス、4つ打ち、メジャーマイナー等ですね。今回は「最初明るくしてだんだん暗くして高速サイケ、で4つ打ちビートの勢いで派手強めな曲とHardTek、最後はJ-CORE*17で締め」を意識してます。今回はあまり考えてませんが、メロディアスにする時は「キー*18」を参考にします。ハーモニックミキシングは詳しいサイトがあるので、説明はそちらを参照に…ただキーは意識しすぎないで、参考にする程度にします。でないと選曲がきつくなるだけなので、あくまでイメージに合う曲を優先に思い浮かべます。
ここで曲が足りない、どうしてもいい接続が浮かばない!時はもうひたすらプレビューで探しまくる作戦を取ります。
過去やったイベントのプレイリストから着目したり、
同人フォルダ全曲が入ったプレイリストを作って、BPMソートして探したり。
最後の手はrekordboxの相性いい曲自動提案機能「Track Suggestion」を使ってみたり。
これでもだめなら、一旦ブロックごと考え直すのが良いです。今回は過去リスト、同人フォルダ全曲リストが役に立ちました。
そして出来上がったリストはこちら。ここまでできたら、次は曲のグリッド調整*19、メモリーキュー打ち*20等、曲をつないでいく作業をやります。
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キュー打ち、繋ぎ調整
ここまではPC1つでできるのですが、キュー打ちからはDJ機材を使い、rekordboxもPERFORMANCEモード*21にして、実際に繋ぎながら考えます。
PCも家ブースに持っていって作業。片付けよう。
本来、こうやってCUE打ちして…という解説もしようかと思ってたんですが、今回は割愛します。要点だけ説明すると、曲寄せのイメージ通りできるか、できない場合違う曲ならいけるか、自然な繋ぎになるか、持ち時間は大丈夫か*22、後でDJする時に見てパッとわかりやすくなっているか*23…を意識して作業します。
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通しリハ~調整
調整が終わったら、いよいよ1回自分で通してやってみます。通しでやる際は必ず録音ボタンを押して録音します。後で聞き返すのと、実際のタイム目安を知るために、が目的です。うまく組めていれば、この時点で超楽しいはず*24ですw
記事冒頭にも貼りましたが、通しリハの録音がこちら。
これを一度自分で聴きます。自分がDJしてるときの聞こえ方ではなく、第三者が聴く立場でまず確認するのが重要です。変な繋ぎがないか、ボリュームの上下、展開が思い通りか、そして「自分で聴いてめっちゃいいMIXになってるか」を確認します。あとは気に入らないところを調整して、必要に応じ再録音していきます。今回は調整前の音源をあえてそのまま置いてます(時間なかったとも言う)(結構調整したいところあります)
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おわりに
これが一連の流れになります。もちろん個人的なやり方なので、参考にできそうなところは参考にしていただければ…という気持ちです。同人音楽でmix作るの楽しかったと言うか、買ってたCDようやく活用できた*25の気持ちがでかいので、同人音楽でDJとかも機会あればやってみたいですね~
今回記事にできなかったんですが、他にも細かいテクニックとかコツとかもあるので、またまとまりそうな話があったら書きます。乱文でしたが読んでいただきありがとうございました!
*1:セットを組み終わってから初めてのmixなので、細かい調整が必要になる可能性の高いmixです。今流行りのTHE FIRST TAKEってやつ。
*2:音楽レーベルから正式に流通している楽曲ではなく、個人やサークル等が主体となって作る楽曲のこと。同人誌の音楽版。
*3:毎年春と秋に東京で行われる同人音楽・メディアミックス作品主体の即売会。コミケでも同人音楽を頒布できるが、M3は完全に音楽好き主体のイベントになるので、M3のみに参加するサークルもあるとか。
*4:ハッシュタグを追いまくって、実況やプレイリストを見ます。でもやっぱり現地に行くのが一番良くわかります。
*5:hardcore technoというジャンルのこと。早くて強い曲の総称w派生ジャンルがいっっっっっぱいある。
*6:Future Bassをはじめとする、未来的な音楽を想起させる音楽のこと。かわいい雰囲気を持つ曲が多い。
*7:Hi-tech Fullonというジャンルの略。デジタルな音でノリノリなジャンル…アバウトに言うと
*8:サイケはpsychedelic tranceというジャンルの略。bom140くらいがメインだが、bpm180くらいまで上げて作った楽曲があって、それはもうかっこいい。
*9:DJの仕込みをしたり、パフォーマンスをするために使うソフト。曲管理できるEXPORT機能は何と無料。DJコントローラーを使ってパフォーマンスする場合はちょっとだけ課金する。
*10:EXPORTモードはファイル閲覧モードで、プレイリストの作成や楽曲プレビューが可能。これだけだと無料でできる。
*11:上部に一番コンパクトに再生ウインドウを出すレイアウト。実際曲はプレビュー機能で聴くことが多いので、あまりプレイヤーは使わない
*12:プレビューというところの波形をクリックすると、クリックした位置から簡易的に再生してくれる。曲を思い出すのにとっても重宝する
*13:Spacelectro氏のVOCALOID曲14作目。結構好きなんだけど入れるタイミングが無くて早数年。そして今回も構成上カット。えーん。
*14:Camellia:かめりあ氏の楽曲。かめりあ氏は鬼高速楽曲が得意だが、こういう普通の速度もかなりかっちょいい。これは今回採用
*15:TECHNOの派生ジャンルの一つ。高速BPMで激しいベースラインが特徴的。私の大好物。
*16:最初はリストに入れた順にナンバリングされているが、この機能でソート後の順番で採番をやり直すことができる。このテクニックは最初知らなくて、ある時TAKAM!YA君に教えてもらいました。ありがとう~~~~~
*17:日本人のセンスで作ったハードコアのこと。アニメの声ネタとか使ってたりする曲が多い。今回のラスト楽曲はJ-COREで、国民的アニメの声ネタが使われている。インターネット壊れた!は草
*18:楽曲全体のメインとなるコード調性のこと。同じキーや、相性のいいキーで音楽を組み合わせると、雰囲気が崩れないことが多い。
*19:曲のリズムに合わせて設定できる目安線をグリッドといい、曲の頭出しのタイミングを図るのに使われる。これを曲ごとに微調整する。
*20:メモリーキューという曲に目印を打てる機能があり、曲を繋げるときのタイミングや曲の展開で目印を設定すること。
*21:実際にDJ機器とつないでDJパフォーマンスをする機能。ここからの工程はDJ機器があるとやりやすいので。基本有料で、特定の機器につながってる時だけ無料で使える。
*22:基本、リハーサルで録音すれば時間は計測可能ですが、リハしなくても計算できる結構便利な確認方法があります。いずれ記事にします。
*23:メモリーキューにコメントを残すことができるので、たまに入れます。ただ対応してない機器もあるので注意。
*24:自分のmixは自分が一番刺さるはず(なぜなら全曲知ってる曲だし好きな曲だし)今でも過去のmixを聴き直しては、こいつうまいな!ってなる。